『ターンテーブル』
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船木菜穂子/写真
言水ヘリオ/文
発行日:2026年 6 月20日
判型:だいたい A 6 判
ページ数:32ページ
写真点数:12点
印刷:レーザープリンタ
製本:手製中綴じ
〈ライナーノーツ〉
ZINEが流行っている、と聞いた。そのことにはだいぶ前から気づいていたが、ジンってこういうものだっけ?という違和感があり、傍観している。立派な体裁の作品集、写真集、文学書、そのほかの本が、ZINEを標榜してブックフェアに参加し、インディペンデントな傾向のある書店などで販売されている。流行に乗ることをためらわないひとがいる。流行している事象がある。
『ターンテーブル』はどうか。言水ヘリオは『文集1』の発行時、「誰からも頼まれず、ただ自発的に、衝動的につくったという意味では、ZINEに近いものかもしれないですが、自分としては文集あるいは冊子と呼びます」とSNSで述べている。
『文集1』を読んだ写真家の船木菜穂子の言水へのメールからこの『ターンテーブル』ははじまった。船木には撮りためた写真があり(「撮ることは習慣に近く生活のなかで続いている」)、言水は『文集1』発行後も作文を続けていた。作業はすぐにはじまった。当初想定されていたのは船木の写真を挿絵的にあつかった『文集2』であったが、やりとりの結果、写真と文との共著としてつくられることになり、のちに『ターンテーブル』というタイトルをつけることになった。モノクロプリントを前提としていたが、カラー版を試作したところ、捨てがたいものとなったため、言水は自宅でモノクロプリント、船木はコンビニエンスストアでカラープリントしてそれぞれつくることになり、モノクロ版とカラー版とが共存することとなった。部数を限定せず必要に応じてプリントされ、製本は中綴じ用のステープラーで行う。カラー版はプリント代がかさむため有料での販売となった。
『ターンテーブル』には表紙がない。表紙にあたるページには「1」のノンブルが表示されている。12点の写真はすべて、ページ内の同じ位置に同じサイズで置かれている。p.1の写真は、どこで撮ったものかが忘却された。説明過多かもしれないが、中心付近には手の跡が残っている。文の末尾には、ときおり、どのような状況で書かれたかが小さな文字で記されている。「〜を見ながら」という場合、まさにそれを見ている最中にメモされたものである。
プリントの品質はプリンタに依存しており、オフセット印刷のような品質を求めたものではない。用紙についても同様である。中綴じの針の位置も個々異なる。小口もそろっていない。ローファイなつくり。レイアウトほかの制作を担当した言水はこういうものはそれでいいと考えている。もともと、身の回りにあるものでつくれる、と思い立ちその後数時間でできあがったのが『文集1』であった。検討を重ねて時間をかけて築き上げていくという性質のものではない。
船木さんにはそのようなことに付き合っていただいたのかもしれない。ともかく『ターンテーブル』ができてとてもうれしい。
2026年6月12日 言水ヘリオ